かねてより憧れていた大朝日岳。日帰りでは行程が長いし、小屋泊でも避難小屋泊のため十分な装備が必要…。私の技量ではまだ早いかな…と、長いこと挑戦をためらっていました。いつか来るその日に備えて、とりあえず勢いで60ℓザックとシュラフ・マットは購入。それらを担いで近場の低山でトレーニングしたり、月山や蔵王といった行き慣れた山で体力づくりに励みました。
10月中旬、山の秋も深まり、今シーズンはもう無理かな…と思っていた矢先、土日連続でまさかの快晴0%予報。これは…行くしかない!!と覚悟を決めて、1泊2日の避難小屋泊で挑戦することにしました!!
行き先
大朝日岳 標高1,870m
日本百名山 古寺鉱泉口よりピストン
日程
2016年10月15日(土) ~ 2016年10月16日(日) 1泊2日
1日目 2016年10月15日(土)
08:05 古寺鉱泉駐車場
08:09 古寺鉱泉 朝陽館
09:45 一服清水
10:00 ハマヌキ峰分岐
10:50 三沢清水
11:15 古寺山
13:07 小朝日岳
14:50 銀玉水
15:35 大朝日岳山頂避難小屋
16:20 大朝日岳
17:00 大朝日岳山頂避難小屋(泊)
歩行 6時間36分 休憩 2時間19分 合計 8時間55分
宿泊
大朝日岳山頂避難小屋
大朝日岳の山頂から約15分程下ったところにある避難小屋。シュラフ・マット・食料の持参必須。
管理協力費1泊1人1,500円。
地元の山岳会が管理してくださっていて、シーズン中は管理人の方がいます。訪れた時にはすでに管理人の方は下山していたようで、備え付けの箱に協力金を納めました。
水場(古寺鉱泉ルート)
山頂避難小屋には水場は無いため、持参するか、途中の水場で汲んでおく必要があります。
◆金玉水(きんぎょくすい)
避難小屋より最も近い水場。古寺鉱泉ルートでは通らないため、小屋に着いた後、往復する必要あり。
西朝日岳・以東岳方面へ約10~15分歩いた先にあり、残雪のため夏山シーズン(8月頃)まで利用できないこともあるとのこと。
◆銀玉水(ぎんぎょくすい)
避難小屋より小朝日岳方面に約40分下った先にある水場。
古寺鉱泉ルートの場合、通り道の最後の水場になるので、ここで1晩+翌日の水を汲んでおくことをおススメします。
朝日連峰で一番美味しい水が飲めると言われているとか。残雪シーズン(6月頃)は埋まっている場合もあるので注意が必要です。
この他に、古寺鉱泉ルート上には一服清水と三沢清水があり、豊かな水資源の恩恵に預かることができます。整備してくださっている方々には深く感謝いたします!!
山行の記録
まずは古寺鉱泉の駐車場を目指して車で出発!
私は山形市内から朝日町経由で県道289号線を走るルートで向かいましたが、落石注意の看板と、うっかり川に転落してしまいそうな細い道幅に、終始怯えながら運転しました…。車で向かう場合は、月山ICから県道27号を走るルートか、左沢~大江町で柳川温泉を経由する県道27号ルートが走行しやすいようです。
紅葉時期の快晴の土曜日とあってほぼ満車でしたが、何とか駐車することができました。
登山口付近は携帯の電波は届かないため注意が必要です。尚、携帯(docomo)は駐車場近辺から樹林帯あたりはずーっと圏外。古寺山あたりから稜線に出ると電波良好でした。大朝日岳山頂避難小屋内は電波弱いものの一応通信できました。
※私が訪れた2016年時点では駐車場は約30台程度の広さでしたが、その後拡張整備され、2022年現在は約200台駐車できるようになったそうです。(駐車協力金1,000円。シーズン中は仮設トイレあり)
当時営業していた「古寺鉱泉 朝陽館」は閉鎖され、宿泊施設も備えた「古寺案内センター」が2020年に新しくオープンしています。(駐車料金の支払いや登山届は、案内センターにて)
準備を整えたら、いざ1泊2日の冒険に出発です!!
沢に沿って歩き始めて
案内表示に沿って橋を渡ったら…
目の前に古寺鉱泉・朝陽館が。この建物の左手へ進んでいきます。
これからどんな景色が待っているのか…。ワクワクします!
整備されていて歩きやすい登山道。このルート上は水場が豊富で、特に危険個所もありませんでした。ただ、重い荷物を背負って自分の足で標高差約1,300mを稼がなければならないので、ペース配分を考え、呼吸を整えながらゆっくりゆっくり登っていきました。
歩き始めはしばらく樹林帯が続きますが、時折、見晴らしの良いところもありました♪
ブナとヒメコマツ、2本の木が寄り添った「合体の樹」
1時間40分ほど歩いて最初の水場「一服清水」に到着。こうやって整備してくださっている方がいて、美味しいお水が飲めることに、感謝感謝です…!美味しくいただきました♪
一服清水からほどなくして、ハナヌキ峰分岐に着きました。ここは日暮沢コースの分岐点。なかなかハードなコースだと聞きますが、いつかそちらから登って、ぐるっと朝日連峰を縦走してみたいなと思っています!
登山道の紅葉が綺麗で癒されます
古寺山まであと20分。
だいぶ標高を稼いできたようです。
もうすぐ樹林帯も終わりそうな気配
ここは特に注意して進みます
最初のピーク古寺山(標高1,501m)に到着です♪展望が開けて、とっても良い眺め!!
絶景を眺めながら、ここでお昼休憩を取ります。眺めも良く座れるスペースもあるため、多くの方がここで一息入れていました。
左が小朝日岳、右が大朝日岳のようです。大朝日岳の右肩あたりに、ちょこんと小屋が見えています。あれが今日泊まる予定の「大朝日岳山頂避難小屋」。こうしてみるとまだまだ遠いなぁ~泣
古寺山での長めの休憩ののち、再び歩き出します。次に目指す小朝日岳への道のりは、なかなかの急登…。巻き道もありますが、小朝日岳からの眺めも見てみたいので、頑張って登ることにしました!
鮮やかな紅葉の赤と空の青が、疲れを癒してくれます♪
やっとこさ小朝日岳(標高1,647m)に到着~♪
少し雲がちになってきましたが、良い眺め♪大朝日岳が正面に見えています。
古寺山あたりで知り合った同郷のN里さん。話が弾み小屋まで一緒に歩きました♪一眼レフカメラを持っていて、私の専属カメラマンばりにたくさんの素敵な写真を撮ってくださいました!その時の写真は、今でもSNSのトップ画などに使わせていただいています(^^)v
歩き始めてから休憩込みでここまでで約5時間。目指す山頂小屋まではまだまだ先。さぁ、この稜線を歩いて小屋を目指します!!
小朝日岳からいったん下って振り返ると…見事な紅葉が♪この小朝日岳の斜面が一番紅葉が鮮やかに見られました。地元の方が言うにはこれでもほぼ終わりかけだそう。ピークにはいったいどんな眺めが見られるのでしょうか♪
少しずつ確実に小屋に近づいています。疲れも溜まってきましたが、この絶景のおかげで楽しく歩くことができました!
銀玉水、小屋の手前の最後の水場です。
ここから小屋までまだ40分ほど歩くため荷物が重くなるのは辛いですが、ここで今晩と明日の分のお水をたっぷり汲んでいきます。
ずっしりと重くなったザックを背負い直し、最後の登りです!!一歩一歩、ゆっくりゆっくり進んでいきます。
疲れては立ち止まって、歩いてきた道のりを振り返ります。
前方右手の小高い山を越えれば小屋が見えてくるはず
良い眺め♪手前の尾根は別ルートの登山道があるのかな?なんて考えながら歩きます。
お!やっと小屋が見えた~!!あともう一息です!!
ついにここまで…
到着~!!あ~、頑張った!やっと重たい荷物を下ろせます(^^)
とりあえず小屋に入り今夜の寝場所を確保します。紅葉時期の晴天、しかも15時過ぎの到着とあって、小屋の中はたくさんの人が。そのため小屋の中の写真はなし(^^;) なんとか2階の2段目にスペースを見つけ、マットとシュラフをセッティングしました。
さて、無事に寝床も整ったことだし、明るいうちに大朝日岳の山頂に向かいましょう♪
小屋の裏手から歩くこと約15~20分で大朝日岳(標高1,870m)の山頂に到着です!!
いつまでも眺めていたい綺麗な稜線♪
だんだんと日が傾いてきました。せっかくなのでこのまま外で、夕陽が沈むところを見ていこうと思います☀
小屋の周りにも夕陽を待つ方々が。幻想的な瞬間を皆で共有します。
N里さんが撮ってくれた、お気に入り写真2枚(笑)
こんな風に自分を撮ってくれる人と山を歩くのは楽しいな~( ̄▽ ̄)v
おぉ~
夕陽が沈んだ後にはお月様が輝いていました。今日はほぼ満月。星空は期待できないかもしれませんが、綺麗なお月様を見られたので良しとします!
外も寒くなってきたので、小屋に戻って夕食にします。室内は多くの方が煮炊きしているおかげで、もわっとあったか(笑)
湿度高めな感じですが、寒くて震えるよりは良いかな…?
今日のメニューはウインナー炒めと棒ラーメンです。少しでも荷物を軽くするためにバーナーとガスではなく、エスビットのポケットストーブと固形燃料を持参しました。バーナーよりは少し時間がかかるものの、急いでいないときに1人分の調理をするには十分でした。
夕食後にもう一度、外に出てみました。お月様のおかげで、やっぱり星はイマイチ良く見えません(^^;)
でもその代わりに…
麓の街の夜景が輝いていました♪
自撮り失敗(笑)
今度は成功♪
こうして1日目の夜が更けていきました。
無事に大朝日岳の山頂を踏むことができ、綺麗な夜景も眺めることができて、とっても楽しい1日となりました。
明日のお天気も期待大です!!
<②につづく>
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